車を売る契約の解約料が売却代金よりも高い

車を売るときのトラブルにはいろいろなケースがあるようで、解約料が車の売却代金よりも高いという、妙な話しが実際にあります。

普通であれば、解約料よりも車を売った金額の方が高くなると思うのですが、一部の業者では「一律○万円」などという高額な解約料を請求してくることがあります。

では、実際のトラブル例を確認したいと思います。

昨日、車の買取店に行き無料査定してもらった。今月車検登録したこと、タイヤ2本新品に替えたことなどを説明したが、価値はないと言われた。

帰ろうとしたら「価値はないが買い取る」と言われ5万円で契約をした。今日になって、価格に納得できないので解約することにした。契約書を見たら裏面に「違約金の負担として売買代金100万円未満は一律10万円の解約料を支払うこと」と記載があったが、契約時に説明は受けていない。

業者に解約料10万円の根拠を聞くと、書類を記載する費用だと言う。納得できない。

これは、60代男性から「国民生活センター」に寄せられた相談内容ですが、5万円で車を売ったのに、解約しようとすれば10万円の解約料を請求されたという事例です。

まず、車に価値が本当に無いのかという問題があります。次に、一律10万円の解約料を支払うという条項に問題はないのかということです。

順番に検証してみたいと思います。

車検と新品タイヤ2本に価値はないのか

相談では、「今月車検登録した」と言っていますので、車検の残り期間は2年ということになります。

一般的には、車検の残っている期間が2年(24ヶ月)あれば、数万円(一般的には5万円前後)の価値があると言われています。もちろん、車種によっても異なるでしょうから、この限りではありませんが、少なくとも、まったく価値が無いということにはなりません。

次に、タイヤですが、この相談者のタイヤは2本が新品ということですので、1本当たり数千円程度の価値があることになります。

タイヤの評価では、溝がどの程度残っているかによって評価が分かれるのですが、一般には、溝が5mm以上残っていればプラスの査定となり値段が付きます。逆に、溝が1.6mm未満だとマイナス査定となってしまいます。

ポイント
ここまで検証してきた段階では、車自体に価値が無かったと仮定しても、車検とタイヤには価値があることになりますので、業者の言う「価値はない」というのは、根拠の薄い発言ということになります。

解約料は契約書どおりに支払うものとは限らない

契約書には「違約金の負担として売買代金100万円未満は一律10万円の解約料を支払うこと」と記載されていたようですが、この記載自体が無効となる可能性があります。

業者の中には「買取価格○万円以下の場合、キャンセル料一律○万円」などと一律の解約料を定めているところもありますが、そもそもこれ自体が消費者契約法に違反しているのです。

消費者契約法第9条1号では、契約の解除に伴う違約金を定める条項で、事業者に生ずべき平均的な損害額を超える部分について無効としています。

ポイント
解約料などが平均的な損害額を超えるかどうかは個別のケースによって異なりますが、今回の事例のように、一律10万円の解約料を定める条項は、消費者契約法により無効になると考えられ、平均的損害額を超える部分については、支払いを拒否できる。(国民生活センターより)
我々消費者は、このような消費者契約法によって保護されていますので、この事例のようなトラブルに遭遇したときは、自分だけで考えて対応しないで、最寄の「国民生活センター」などに相談すると良いでしょう。