車を売ったときの高額なキャンセル料は妥当なのか

車を売る場合のトラブルとして多いのは、解約や解約料に関するものが圧倒的に多くなっているようです。

今回ご紹介するものも、親が子供に買い与えた車を子供が売ってしまい、親が解約しようとしたら高額なキャンセル料を請求されたというものです。

今回の相談も「国民生活センター」に寄せられたものですが、その詳細とともに詳しくみていきます。

自分が息子に買い与えた軽自動車を、息子が金に困って、買取業者に51万円で売却するとの契約書にサインしてしまった。車に積んでいる車検証はコピーなので、息子と業者が一緒に車検証をとりに来て自分は売却することを知った。

自分は売却には反対なので業者に中止を申し入れたら「既に売れてしまい解約不可」と言われた。店舗まで出向き交渉したら、業者から「車は既に他県の別営業所に搬送済み、キャンセル料は10万円、誓約書に署名、捺印(なついん)すれば車は返す」との回答があった。

あまりに高額なキャンセル料に納得できず「具体的な積算内容を示してほしい」と伝えたが取り合ってくれなかった。仕方なく誓約書に署名、捺印し、今朝再度店舗に出向き10万円を支払い車を返してもらった。

ガソリンメーターを見る限り業者の言う他県まで往復しているとは考えにくい。

車検証も渡していないし売却代金も受取っていないのに10万円ものキャンセル料は妥当なのか。業者からは法律の専門家に相談しないでもらいたいと言われている。

この相談は50代男性からのもので、当事者の息子は20歳代です。

このケースの場合は、息子が契約書にサインしていますので、車の売買契約は成立しています。その契約をキャンセルする場合は、相応の解約料が発生することになるのですが、問題なのはその解約料の額です。

今回のケースのように、10万円という高額なキャンセル料が法律的にみて相当なのかということです。

これについて、先の「国民生活センター」では、次のようにアドバイスしています。

消費者契約法第9条1号では、契約の解除に伴う違約金を定める条項で、事業者に生ずべき平均的な損害額を超える部分について無効としています。

解約料などが平均的な損害額を超えるかどうかは個別のケースによって異なりますが、今回の事例のように、一律10万円の解約料を定める条項は、消費者契約法により無効になると考えられ、平均的損害額を超える部分については、支払いを拒否できる。(国民生活センターより)

つまり、10万円という高額なキャンセル料は、消費者契約法の考え方からしても法外な額となり、その支払いは拒否することができるということです。

ただ、残念なのは、相談者が既に10万円の解約料を支払ってから「国民生活センター」に相談しているようにみえますので、もう少し早く相談をしていれば、もっと別の解決方法が見つかったのにと思います。

車の売買において消費者は素人

車の売買において消費者である私たちは、買取業者などの持っている知識に遠く及びません。

業者に「解約料が○万円」かかると言われれば、「そうなのか」と思い込んで支払ってしまう人も多いのだと思います。

ですが、消費者契約法のように、消費者を悪質な業者から守るための法律も存在していますから、トラブルに巻き込まれたら、巻き込まれそうになったら、まずは、自分一人で考えて行動せずに、最寄の国民生活センターや法律の専門家に相談してみることです。

国民生活センターは、全国各地に「消費者センター」としての窓口を開設していますので、そこに行って相談することができます。

また、法律の専門家に相談したい場合は、「日本司法支援センター(法テラス)」などの無料で数回法律相談のできる機関がありますので、そこを利用すると良いでしょう。

業者が「法律の専門家に相談しないでもらいたい」と言うのは、相談されれば「まずい」ことが発覚するからと推測することができますから、業者の言いなりにならず、公的な機関に相談することです。